ジンです。
格闘ゲームはゲームセンターからオンラインで楽しむ時代に推移し、コロナ禍も明け、オフラインイベントが増えてきた昨今、我々格闘ゲーマー、特にゲームセンターからの古参勢にはひとつの課題があります。
アケコン、重いし、デカいし、入るカバンが少ない。
かといって仮にも精密機械ですので、雑に扱って壊れたら元も子もない。
アーケードコントローラー(アケコン)は、格闘ゲーム愛好家にとって不可欠なツールです。しかし、持ち運びの際には必ず上記の課題が付きまといます。本記事では、アケコンについて簡単な説明から、特にレバータイプの持ち運び方法にスポットを当て、最適なカバン選びをするためのポイントを紹介していきます。
※バッグだけ知りたい人は【アケコン用バッグの紹介】へどうぞ↓
格闘ゲーマー、デバイスの種類とその特徴
本記事のターゲット、アケコン(アーケードコントローラー)。
アケコンは大きく分けて、レバー付きとレバーレス(ヒットボックスなど)の二種類があります。
レバー付きアケコンは、伝統的なアーケード感覚を再現するため、レバーとボタンの組み合わせを採用しています。このタイプは、長くゲームセンターで主として使用されてきたことから、特に古参の格闘ゲームプレイヤーに愛用されています。
一方、レバーレスアケコンは、すべての操作をボタンで行う設計で、より精密な入力が可能になります。このタイプは、特に方向入力を多用するゲームにおいて操作精度の向上を求めるプレイヤーに選ばれやすく、ストリートファイターのプロゲーマーが先んじて移行を続けたことで世間に浸透しました。
よくよく考えたら、FPSなど古くからのPCゲーマーにとっても“キーボード&マウスが最も緻密な操作が可能”というのが定説ですから、格闘ゲームもこういったボタンメインのデバイスに推移していくのは自然な流れだったようにも感じます。
他に格闘ゲームに取り組むための選択肢としては、パッド、キーボード(!)があるかと思いますが、それらを選んだ方はそこまで持ち運びに苦労することはないかと思いますので、本記事では割愛します。強いて言えば、専用のケースを別途購入し、ケースに入れてカバンに入れることをオススメします。
※キーボードがメインのトッププレイヤーも存在します。レバーレスアケコン的な使い方の他、矢印キーを使って右手で方向入力を行うプレイヤーなんかもいたり。
レバータイプアケコン、持ち運びの課題点
・アケコンサイズ
まずはやはりこの問題。アケコン本体のサイズ。
小さいものもありますが、ガチでプレイすることを考えると、コマンド入力の安定のために、大きいものを選ぶことになりがち。特に膝置きでプレイする場合、小さすぎるとズレやすく、安定しづらくなります。
日本でよく選ばれる人気のアケコンの参考サイズは以下の通り。
商品名 | 横幅 | 縦幅 | 厚み ※レバー含む | 重さ |
---|---|---|---|---|
QANBA Obsidian 2 | 約49 cm | 約26 cm | 約12 cm | 約3.4 kg |
QANBA DRONE 2 | 約36 cm | 約22 cm | 約12 cm | 約1.3 kg |
Victrix Pro FS | 約41 cm | 約28 cm | 約12 cm | 約3.5 kg |
HORI ファイティングスティックα | 約41 cm | 約30 cm | 約12 cm | 約2.7kg |
代表的なところはこのあたりかと思います。ちなみにObsidianの前モデルは少しだけ横幅が小さく、逆に縦幅は少し大きくなります。いずれにせよ、余裕をもってバッグを選ぶとなると、横幅45~50cm、縦幅は30cm、厚みは15cmほどが入れられるサイズ、というのが重要なポイントとなりそうです。
・レバーをどうするか
レバーはアケコンで最も壊れやすい部品の一つです。前項のアケコンそのもののサイズも問題ですが、このレバー部分にまた頭を悩ませられることになります。
- レバーの保護:持ち運び時は、レバーに負担をかけないよう、レバー用の保護カバーを使ったり、タオルや洋服など柔らかいものを巻いてあげたりなど、レバー部分を考慮してカバンを選ぶ必要があります。
レバーの保護にあたって、100円ショップ等で販売されている『ペットボトル用コップ』めちゃくちゃオススメです。自分はダイソーで購入しました。
レバーにぴったりハマって垂直に抑えてくれるので、故障のリスクを軽減できます。
※レバーを長くセッティングされている方、レバーボウルを別のものに換装されている方の場合、窮屈になるまたは使用できない可能性があります。
- 取り外し可能なレバー:『The Link』というパーツを使いカスタムすれば、レバーを簡単に取り外すことができるようになります。これにより、収納時はレバーを本体から分離し、最も邪魔なレバー部分についての懸念を無くすことができます。アケコンの厚みを半分ほどに抑えられる点だけでも、選べるカバンの選択肢がかなり広がります。この『The Link』は使い勝手も素晴らしく、数秒で簡単に外すことができるにも関わらず、真ん中部分を押し上げてから引っ張らないと外れない構造なので、プレイ中に外れることはまずありません。換装もさほど難しくありませんし、めちゃくちゃオススメです。
※2024年2月現在、品薄/品切れが続いています。見つけたらとりあえず買っちゃうのもアリです。
アケコン用バッグ選びの注意点
ここまでの内容を踏まえて、アケコン用のバッグ選びにあたって注意するポイントは以下の通り。
- サイズとフィット感:アケコンが入るサイズであるのはもちろんですが、アケコンがバッグ内で動きすぎてしまわないよう、ある程度フィットするサイズを選びましょう。あまりにもサイズが合っていないと、移動中にアケコンが損傷する原因になります。特定のアケコンモデル専用に設計されたバッグや、調節可能な内部パッド等があると、レバーや周辺機器が収納しやすくなります。
- 保護機能(材質):衝撃吸収素材を使用したバッグや、硬い外殻を持つバッグは、アケコンを衝撃から守るのに適しています。また、防水機能があると、突然の悪天候からも保護できます。市場には、特に電子機器の運搬に適した多様なバッグがありますので、機能性とデザインを考慮して選択しましょう。
- 持ち運びのしやすさ:バッグ自体の重さ、持ち手やショルダーストラップの有無は、持ち運びやすさに直接影響します。長時間持ち歩く場合は、軽量でありながら耐久性のある素材を選び、快適なショルダーストラップやバックパック式のストラップを備えたバッグを選ぶことが重要です。
- 追加収納スペース:ケーブルや予備のボタン、レバーなど、アケコンと共に持ち運びたいアイテムのための追加収納スペースがあるとなお良いです。小物を整理するためのポケットやコンパートメントが多いバッグは、持ち物を整理しやすく、取り出しやすいです。
サイズは言わずもがなですが、意外と大事なのが”材質”と”持ち運び”。詳しくは後述しますが、材質が良くないと詰め物をしないと故障が怖いですし、いくらスムーズに入ったところで、持ち運びしづらいバッグを選んでしまうとかなり疲れます。パソコンより全然重いので…。
アケコン用バッグの紹介
最初に、ゲーマー用のツールを販売しているAttasa shop。
Attasa shopでは、カテゴリーにアケコンバッグがありますが、実際に汎用性が高そうなのはこのあたり。
- Qanba Shield Arcade Joystick Backpack
丈夫そうだし良さげかなと思ったのですが、商品説明に「Obsidianがピッタリ収納できる18″(約45㎝)対応サイズ」と書いてあり…。
アレ?これもしかしてObsidian2入らないんじゃね?と思ってしまったのでObsidian2を使っていて購入を検討されている方は必ず確認してから購入してください。 - Qanba Aegis Arcade Joystick Backpack
こちらは更に大きいようで「Qanba Dragon(※)が収納できる」と書かれているので、ほぼ全てのアケコンが収納できそうです。レバー部分を保護するクッションが初めからついており、別途保護用のカバーなどを用意する必要もありません。
※Qanba DragonはObsidian2よりも更に大型のアケコン。5kgオーバー。
他にも、良さげなモデルもいくつかあったのですが、定着するモデル自体が少ないようで、上記以外は殆ど品切れもしくは販売終了となっていました。(2024年2月時点)
ひとつ、参考までに自分がお店で実際に試したバッグで「これいいじゃん!!」というバックパックがあったので紹介しておきます。
※28Lが重要です。26L以下のサイズを選ぶ場合、収納できるアケコンが限られます。
僕は実際に『Victrix Pro FS』(レバー付)を収納して試しました。スムーズに収納できる上に丈夫な材質、予備ポケットの容量も十分で背負い心地も良く、比較的安価でかなりの好感触だったのですが、個人的にブランド名が大きく入っているものは苦手で、悩んだ末にスルーとなりました…。
試行錯誤の末、辿り着いた結論は『カメラバッグ』
これまでに僕が試してきたバッグ、そして現時点での結論を紹介。
・[グレゴリー] バックパック デイパック
普段使いしているグレゴリーのバックパックを無理やり使用(当時はObsidian)。軽いし背負いやすいしホントに良いリュックなんですが、ギリギリ閉まる、というだけで無理やり収納、生地が突っ張ってるから状態だからバッグは傷みそうだし、そもそも中身を保護するような作りではないので、置く時なども気を付けないと壊れそう。無し。
・旅行用ボストンバッグ
スーツケースを用意するほどではない旅行で大人が使いそうなアレです。革製。
サイズ的にちょうど良く、素材も弱くは無いし、底面には鋲もついているので扱いやすいかな、と試してみました。実際ぴったり入って悪くないのかもしれませんが、革の重みに中身の重さも相まって、とにかく重い。ストラップを使って肩にかけると食い込むし…。個人的には無し。スマートに持ち運びたい人はいいかも。
・[マタドール]SEG30
サイズを確認した上で見た目が気に入って購入。デザインと機能的にはとても良かったのですが、生地が薄すぎてアケコンの保護に不安があったことと、背負い心地がピンとこず、不採用。ある意味このバッグを試したことで、材質の大事さ、背負い心地の違いに気付かされました。ジムバッグに用途変更。
・[peakdesign]トラベルバックパック45L
色々なカバンを試した上で、僕が行きついた結論は、カメラバッグ。
精密機械である中身をしっかり保護し、防水性もあり、十分に研究されてきたカテゴリーでもあります。モノによっては仕分けポケットが付いていたり利便性を高めるためのギミックが付いていたり、たくさん入るモデルもたくさんあるので、十分に選択肢に入れられると思います。
カメラバッグで探してみるといきなり選択肢が広がり、あとはもうサイズさえクリアすれば気に入るかどうか、という中、僕は[peakdesign]トラベルバックパックというモデルを選びました。現在は円安でどんどん高くなっていってるのでオススメしづらいですが、このブランドなんと“永久保証”なのでアケコンどうこう抜きにしても一生使える良いバッグかなと。言うほど軽くはないですが、その分丈夫なのでめちゃくちゃ気に入ってます。背負い心地も◎。
ちなみに、先日行われたGlobal Showdown(ヨーロッパで行われた世界大会)出場の際は、スーツケースに購入時の箱ごと入れる形で持っていきました。頻繁に海外の大会に参加するストリートファイターのプロゲーマーがアケコン専用のスーツケースを用意しているのを見たことあったりなかったり。
まとめ
というわけで、アケコン持ち運び用のバッグについて、僕が色々と試した上での話を記事にしてみました。
大事なことは
- サイズ
- 材質
- 持ち運び易さ
以上の3点と、アケコン用バッグに拘る必要はない、ということです。
僕的な結論はカメラ用バッグ。
本記事で紹介したモデル以外にもたくさんのブランド、たくさんのモデルがあるので、一度見てみてはいかがでしょうか。YouTubeにもたくさんのレビュー動画が見つかると思います。
あとは、できるかぎり店舗に直接入れたい物を持ち込んで、実際に入れてみるのが一番確実です。
僕も実際に店舗にアケコンを持ち込んだり、いざとなったら返品可能なAmazonで注文したりしていました。
アケコンは、僕達ゲーマーにとって、単なるゲーム機器以上のものです。相棒とも言えるアケコンを、適切な保護と持ち運び方法を選ぶことで、長く、大事に使っていけたら。こちらの記事を読んでくださった皆様が、ご自身のアケコンを安全に、よりスタイリッシュに持ち運べるようになれたら幸いです。
今回はこのあたりで。
ではでは、また。。
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